自己破産のこんな内容
資金に余裕のない銀行系ならとてもやれないプログラムだろう。
UCの担当者は、この点を認めている。
「われわれは、Tカードでの契約が1つの基準になってギリギリの経済条件を出すわけですが、信販さんはそれよりもいい条件で出してきますから、石油業界との話にはなかなか乗れないんです」一括払いが主体の銀行系各社と分割、割賦で資力のある信販系各社との体力の差が提携交渉にも反映している。 新]カードの発行は95年4月だったが、そのPR作戦は巧妙に仕掛けられた。
というのもこのカードの仕組みが複雑だったからで、テレビCMや新聞、雑誌、交通広告も含めて3段階に分けた立体的な展開となった。 まず、同年4月1日に「史上最大の作戦」といす形でまず覆面広告を打ち、何が最大なのかはいわずに、所ジョージでとにかく目立つように広告を出した。
次に4月10日からは「史上最強のカード」として、新]カードの登場をテレビスポットで集中的に告知したが、それをよりわかりやすくするために「史上最高の法則」でその仕組みを詳しく紹介した。 しかし、それでも仕組みがわかりづらいということで、当初は期待ほどの効果はなかった。
6月くらいから仕組みが口コミなどで浸透するとうやっとブーム的な様相を見せ始め、月に6万〜8万枚と伸びて、それ以降、先行者メリットを思い切り享受することになった。 同業他社も新しいカードの発行で対抗ところで、石油業界は1%でもシェアが減れば、その担当者のクビが飛ぶというくらい競争が激しい。
そうした業界風土の中での新]カードの躍進である。 当然、同業他社は阻止しょうと焦った。
最も早く対応したのは、業界第2位の出光興産であった。 同社は半年後には、新]カードとスキームがほとんど同じ出光カードの発行を開始したが、同社が真っ先に追随できたのも、出光クレジットというクレジット会社を子会社に持ち、小回りのきいた戦略が取れるからだといわれる。
しかし、出光の担当者によれば、「予定の行動だった」と強調する。 実は出光がそのカードを発行した96年は出光クレジットの設立10周年にあたる年で、それを記念して旧タイプのカードの大幅なリニューアルを計画していたというのだ。
いずれにしても出光カードは人気がある。 稼働率は今も5割以上ときわめて高い。
続いて、M石油もJと提携して「上(じょう)カード」を95年秋から発行した。 こちらは独自の懸賞金方式を打ち出した。
毎月一定額を給油すれば、抽選で毎月1万円が当たる「月間プレゼント」と毎年HOOO名に5万円が当たる「年間プレゼント」の2種類がある。 M石油とすれば、「懸賞金ならお得感が目に見えるし、スタンドのスタッフもお客さんに説明しやすい」とのねらいがある。
また、懸賞金方式は、持ち出し分はあらかじめ決まっているから、発行者側からするとコスト(原資)が読めるという有利な点がある。 Kも相次いで新カードの発行を予定し、その内容はSと同じキ.ヤツシュバック方式を採用するとの噂が業界を駆けめぐった。
最大手・Nの動向そうしたなかで最大手のNは、最後まで方針を明らかにしなかった。 だが、実際は、冒頭にふれたように、社内では新カードの発行に向けての準備を着々と進めており、私へのアプローチもその一環であったのである。
私は95年9月のある日、N本社に行ってカード開発にあたっているスタッフに会うことになった。 西新橋の本社には、約束の時間より早く着いた。
大会議室に通されて、その広い室内で独り待っていると、スタッフの人たちが続々と現れて、長いテーブルに着いた。 数えてみると、若手を中心に、なんと20名以上もいる。
それがこのカードの開発に携わる人たちであった。 何だか、私は階段教室で講義をする大学の先生という感じになってしまったが、その一方で、20名あまりもの人たちを見て、これだけ多人数だとまとめるのも大変だろうなと感じた。
その場では、販促部長がカード開発の動機や進捗状況を話してくれ、みんなでディスカッションをした。 この時、私は「Nは最後発になるから、逆に単純な割引カードで行ったほうがいいのではないか。
むしろ、ダッシュボードには絶対眠らないドライブスルー型のカードにしたらよい」という提案をしたと思う。 具体的には、MやDと提携L、そこでの利用でポイントが倍付けになったり、割引になったりするカードをイメージした。
あえて他社との激突を避けて独自性を主張したわけだが、かなり自信があった。 その結果がはっきりしたのは、翌96年4月だった。
私はワクワクして待っていた。 だが、その内容を知って私はびっくりした。
なんとM石油とSの2つのカードを合わせたような「ダブルオトク」というものであった。 懸賞金方式とキャッシュバック方式のいいところを取り込んだ欲張りなカードだった。
その日からNでは、『巨人の星』の星飛雄馬をメインキャラクターにしてテレビCM、新聞広告で大規模なキャンペーンを始めた。 「ダブルオトクで攻勢をかけ、他社のシェアを取りに行く」とカード開発チームは意気盛んであった。
実はエピソードがあって、Nは最初は懸賞金方式だけで行こうとしていたという。 ところが、M石油にそのアイデアを取られてしまったために、あわてて他の方法を模索しなければならなくなった。
そこでいろいろ考えたが、懸賞金をベースにそこにポイントバック方式を加えるという形にしたのだった。 その過程で、私の提案した割引カードも検討されたという。
最初のアイデアだと、食事やショッピングでカードを利用した場合、利用額10万円につき、ガソリン代を10%割り引いて還元するというものであった。 これなら新]カードと違い単純な仕組みなので利用者にも理解しやすいだろうという考えである。
しかし、よく考えると欠点があった。 ガソリンは、それぞれのスタンドで1リットルあたりの値段がまちまちである。
給油量で割引率が決まってしまうと、それぞれのガソリンスタンドで個別に割引価格を計算する必要性が出てくる。 そうなると、N本社がつくったシステムを一律にあてはめて計算することが不可能になり、それだけ各スタンドに負担がかかってしまう。
そうではなく、カードを利用した人、の特典としてキャッシュバックポイントを加算する方式を採れば、提携しているカード会社に一律にポイント計算を委託でき、自動的に割引価格が算出できる仕組みが成り立つので、ガソリンスタンドの負担を軽減できるのだ。 そう考えると、ポイント制によるキャッシュバックシステムを業界で初めて採り入れた。
追撃するNでは、96年4月以降、3カ月間に現金会員カード「アルジャツカード」から「イーナカード」に代わったデータを取ったところ、ガソリン購入量が月間30リットル増えていたという。 また、「クレジットカードで顧客データを取り、分析的なマーケティングに生かそうと考えていたが、今ではカードが販促そのものになってきた」という。
利用者の意識が変わり、カードでの割引を当たり前と思うようになってきている。 稼働率が5割以上あるという数字もそのことを裏付けている。
また、このカードは巨額のキャッシュバックを毎月還元しているのも特徴だ。 Nは毎月約2億円、年間に直すと25億円を還元している。
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次に4月10日からは「史上最強のカード」として、新]カードの登場をテレビスポットで集中的に告知したが、それをよりわかりやすくするために「史上最高の法則」でその仕組みを詳しく紹介した。 しかし、それでも仕組みがわかりづらいということで、当初は期待ほどの効果はなかった。
6月くらいから仕組みが口コミなどで浸透するとうやっとブーム的な様相を見せ始め、月に6万〜8万枚と伸びて、それ以降、先行者メリットを思い切り享受することになった。 同業他社も新しいカードの発行で対抗ところで、石油業界は1%でもシェアが減れば、その担当者のクビが飛ぶというくらい競争が激しい。
そうした業界風土の中での新]カードの躍進である。 当然、同業他社は阻止しょうと焦った。
最も早く対応したのは、業界第2位の出光興産であった。 同社は半年後には、新]カードとスキームがほとんど同じ出光カードの発行を開始したが、同社が真っ先に追随できたのも、出光クレジットというクレジット会社を子会社に持ち、小回りのきいた戦略が取れるからだといわれる。
しかし、出光の担当者によれば、「予定の行動だった」と強調する。 実は出光がそのカードを発行した96年は出光クレジットの設立10周年にあたる年で、それを記念して旧タイプのカードの大幅なリニューアルを計画していたというのだ。
いずれにしても出光カードは人気がある。 稼働率は今も5割以上ときわめて高い。
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また、懸賞金方式は、持ち出し分はあらかじめ決まっているから、発行者側からするとコスト(原資)が読めるという有利な点がある。 Kも相次いで新カードの発行を予定し、その内容はSと同じキ.ヤツシュバック方式を採用するとの噂が業界を駆けめぐった。
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私は95年9月のある日、N本社に行ってカード開発にあたっているスタッフに会うことになった。 西新橋の本社には、約束の時間より早く着いた。
大会議室に通されて、その広い室内で独り待っていると、スタッフの人たちが続々と現れて、長いテーブルに着いた。 数えてみると、若手を中心に、なんと20名以上もいる。
それがこのカードの開発に携わる人たちであった。 何だか、私は階段教室で講義をする大学の先生という感じになってしまったが、その一方で、20名あまりもの人たちを見て、これだけ多人数だとまとめるのも大変だろうなと感じた。
その場では、販促部長がカード開発の動機や進捗状況を話してくれ、みんなでディスカッションをした。 この時、私は「Nは最後発になるから、逆に単純な割引カードで行ったほうがいいのではないか。
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